嗅覚の記憶

*時々ネタばれ防止のため、***(ピ〜!)な感じの記述になってます*
Dsc_0229
パフュームの試写会に行って来ました。
音で香りを感じるという試みで、東京フィルの生演奏付き。
なかなか音で香りを感じるのは難しかったけど(笑)。でも久々の生のオーケストラの演奏。素晴らしかったです。
映画の感想ですが…。
この映画、感想といってもなかなか言葉が出てこない。
ただ、観終わったあと出て来た言葉は「スゴイ…」でした。
主人公のグルヌイユ役のベン ウィショーがまた…ちょっとあの雰囲気を持った俳優さんってそういないですよね。
鼻をスースーいわせて匂いを嗅いでいるところなんて、本当に怖かった。
副題が「ある人殺しの物語」なんだけど、人を殺すという行為よりも、人の***(ああ、ダメ。ネタバレ寸前!?)を香水にするっていう発想の方が、私には気持ち悪く、舞台が18世紀のフランスということが、また余計にグロテスクでとってもダークな雰囲気を醸していました。
しかし、あれですね。
この映画のクライマックス、すごすぎる。
よくあんなシーンを撮れたなあと。
しかし、匂いに対するあの執着。
あれってヨーロッパならではでしょうかねえ。
確かに、臭いは重要ですよ。心地よい臭いと、どうしても自分とは噛み合ない臭いってありますもんね。でも、当時のフランス人って、あまりお風呂に入る習慣ってなかったっていうし、だから余計にあの理性を失わせるほどの香りが***からできるってことが不思議で…。ふと現実世界に戻って来ては、冷静にそんなことを考えていた、ムードぶちこわしの私なのでした。
でも確かに香りの記憶っていつまでものこってるもんですよねえ。
私は昔、風邪を引いて病院へ行った帰り、母がよく連れて行ってくれたうどん屋さんのだしの匂いや、亡くなった祖父の整髪剤の匂い、初めてハワイへ行った時の独特な花の香りを今でもハッキリと思い出します。
この映画の主人公がある女性の香りを保存しておきたいと思った気持ちはちびっと分かる気がするけど、意外と保存しなくても、好きな匂いは覚えてるもんです。
結局この映画の感想は私には無理。
ボキャブラリーがなさすぎて。
例によって色んな著名人が感想を述べている訳ですが、その中で一番まさにコレだ!と思った南伸坊さん(イラストレーター)言葉を代わりに抜粋。
”すっかり馴染んでいたつもりの、奥の奥から
日本人の知らなかったニオイがする。
….その香りは、日本人にとっては異国の、つまり異臭なのだ。
そのことがよくわかる映画だった。”
*写真は私がいつも使っている香水たち*

cocomiu
cocomiu (as a designer and an illustrator) lives in Tokyo with my husband,daughter and cats. likes taking photos, doing yoga and shopping.