そして、ガンバル

cocomiu-311日、私はマタニティヨガの講習を受けに出かけていました。

講習も中盤、ヤバい、おもしろい!と思っているところで地震。

いつもの感じかと思った。

だけど、揺れはどんどん大きくなり、「外へ出てください!!!」の声でふと我に返る。

そしてダダダダダ。妊婦とは思えない素早さで階段を駆け下りて外へ。やっぱり守るものがあると行動も素早い。

外に出るとたくさんの人。

そして妊婦だと誰から見ても分かる私に、マフラーやストールを掛けてくれる。

心細いだろうと、手を握っててくれる人も。

こんな時でも人ってあったかい。みんな不安で怖いだろうに、私の体を気遣ってくれる。

ただ、一緒に講習を受けていた人の中には妊娠4ヶ月の女性も。

見た目からは妊婦だとまだ分からない彼女は、震えて泣いていた。

彼女は初産。産後の不安も口にしていた。見た目には妊婦だと分からないこの不安定な時期が、一番不安なはず。

被災者の中には彼女のような妊婦さんがたくさんいたことだろう。私たちは彼女が妊娠していることを知っていたけど、なかなか気付かれず、一人で不安と闘っていた女性もたくさんいたに違いない。

なかなか私は妊婦ですと言いにくかったりするはず。

だから、ずっとずっと思ってきたことだけど、もっと妊婦マークを大きく目立つようにしなくちゃダメだよなと思う。

cocomiu-4一緒に講習を受けていた女性達はみな不安な状況でも大丈夫!なんとかなる!って思わせてくれる明るい方ばかりで、ホント救われた。とにかくうちに帰らなくちゃと、「また会おう」と挨拶もそこそこに帰ってしまったけど。。またもう少し落ち着いたらゆっくりお話したいなと思う。来月会えるよね。楽しみにしています!

地震当時いた場所から娘のいる保育園までは歩いて1時間半。

バスの様子を見ながら歩いたから、もっと掛かってたかも。お腹は張るし、股関節は痛むし、だけどとにかく帰らなくちゃの一心で歩き続けた。途中、徒歩仲間になったおばあちゃんたちと励まし合いながら歩く。

みんなあったかい。おばあちゃんたち、足をかばいながら歩いてるのに、ヨガマットとか荷物とかいっぱい持ってる私を心配して「荷物持とうか?」って言ってくれる。気持ちが嬉しい。

途中、夫の実家の様子も見に行き、どうにか保育園へ到着した頃には、髪はボサボサ、「ヤバい、このままじゃ産まれる」ってくらいお腹がカチカチで痛くなっていた。

それでも冷静でいられたのは、やっぱり母親だからだろうか。後でママ友と話をしていて、みんな自分でもびっくりするくらい冷静で強くなってたって言ってたっけ。もうDNAに刷り込まれてるんだね、きっと。守らなきゃいけないものがあるから、自分がへこたれてなんていられない。自分も守らなきゃ行けない。

だけど、やっぱり私は8ヶ月の妊婦。

思うようには動けない。身軽だったらなにかあったときこどもと猫を担いで避難することもできただろうに、今はこどもを抱きかかえるので精一杯。モドカシイ。。

うちに帰ると猫たちは怯えきっていて、かわいそうなくらいだった。女子2匹が特に、しばらくベッドやソファの下から出てこなかった。

相当揺れただろうに、家具が動いていた程度で大してものは壊れず、ありがたいことに皆無事だった。

それでもこんなにも心のダメージが大きい。

余震の度に目が覚めるし、いつも逃げる体勢で緊張してる。家族になにかあったらと思うと、眠れない。

家族を失ったり、大事なものを失った人たちはどれほどのダメージか。そう思うと、自分に出来ることを、出来る限りのことをこれからやっていかなくちゃと思った。そして生かされた命を、精一杯生きなくちゃと。

今日もこどもの顔を見ながら目覚めることができたことに感謝。家族でご飯が食べられることに感謝。猫たちを抱きしめることができる日々に感謝。すべてに感謝して。

やせ我慢でも笑って元気に。

止まっていてもなにも始まらないから、辛い気持ちをどこかに閉まって、前だけ向いてズンズン進むしかないよね。

だから、ガンバロ。

助け合って。

最後に、この度の地震で亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。

*写真は昨日の猫ズ。もうすっかりいつもの彼らに戻りました。

cocomiu
cocomiu (as a designer and an illustrator) lives in Tokyo with my husband,daughter and cats. likes taking photos, doing yoga and shopping.