癒えるまで

私の一部のような存在だったミュウが、2月28日、永眠しました。

今はもう、骨や関節の痛みもなく、あちこち飛び回っていることと思います。

 

なんとなく、お別れの日が近い予感はしていました。
思えば、彼もそれを悟っていたのかもしれません。
いつも以上に私のそばを離れなくなりました。 今思えば、もっともっと彼の要求に応えてあげられたら良かったなと思います。

キッチンに立つと、必ず足元にまとわりついてきたし、歯を磨いていたら水をくれとそばに来ていたし、仕事をしていたら膝を温めにきてくれたし、洗濯物を畳んでいたら必ず邪魔をしにきていました。今でもその面影が私のそばに現れては消えていきます。
彼と出会ってから、私は彼のことを文字通り溺愛してきました。
子供が生まれて、猫と赤ちゃんを一緒にしない方が良いと言われても、「ミュウがいないとおかしくなる」といって、譲りませんでした。それほどに私の大きすぎる彼への愛情を、すべて残さず受け取ってくれる子でした。そして、彼もまた、私を誰よりも必要としてくれていました。

あなたがいなくなってから、朝早く起きて私とミュウのべったりな時間がもうないんだと改めて思い知らされるのが怖くて、なかなかベッドから抜け出すことができません。夜になるのが毎日怖いです。「お布団に入れて」と無理矢理にでも入ってきていたのを思い出しては涙が溢れ出るのをおさえることすらできません。

最期の日、もう立たなくなった足を引きずって、息子のところやパパのところに行っていたね。私がお仕事から戻ると、力を振り絞って、待ってたんだよ!ってフニャー!って鳴いたね。

這うように私のところに来ようとしていたのが悲しくて、愛おしくて、辛かった。でも、それほどに私は彼に愛されていたし、私もおかしいくらいに彼を大事にしてきたと思う。

あなたがいよいよ行こうとしていた時、私はあまりのショックで疲れてしまって眠っていました。旦那さんが、ミュウくんが苦しそうだと私を起こしていたのに、私は目を覚まさなかった。

少しの物音でも起きるのに、どうして苦しんでる時に起きなかったのかくやんだけど、私がそれを見て苦しまないように眠らせてくれていたのかなと、今はそう思う。私や旦那さん、子供たちとミュウを囲んで眠りました。最後の幸せな時でした。

 

私の異常なほどの愛情を、すべて残らず受け取ってくれたこと、心から感謝しているよ。

辛いことがあって私が泣いていた時は、いつも必ずそばに来てくれて、私はミュウを抱きしめて泣いたのを覚えています。子供が生まれたときも、一緒にそばにいて、その幸せを感じていたね。あなたはこどもたちにも優しい猫でした。

 

思えば、今の私があるのはすべてあなたのお陰です。

 

ふくごまのはなさんや桜子さんをはじめ、ともみん、坂本美雨ちゃん、くるちゃん、さやちゃん、みどりちゃん、モッチさん、香代子さん、emi-mayさん ‥‥ そしてなにより旦那さんや子供たち。ここに書ききれないほど本当にたくさんの素敵な人たちと出会わせてくれました。チッチが家族の一員になったのも、あなたがいれくれたからです。

ありがとう。
あなたが私に残してくれた財産を、これから私は一生大切にしていきます。

 

私はあなたがいなくなってから、ふわふわとどこにいたのかすら分からないような状態でした。
だけど、24時間がんばりすぎて、誰のこともちゃんと見れていなかったこと、完全に心に余裕がなくなっていたことに気づかされました。もっとココちゃんや杏ちゃんのことにも気を配っていかなくちゃだめだよって、教えてくれた気がします。そして、子供たちがママをもっともっとと求めている声、私を必要としている旦那さんの声ももっと聞いてごらんと。

ミュウがいなくなってから、ココが私のそばを離れなくなりました。
次は私の番よと言っているのか、それとも、これまで私とミュウの間に入り込めずにいたのか。

同じように愛情を注いできたつもりだったけれど、きっと違っていたんだね。ごめんね。
ミュウは猫だけど、それ以上の、魂で繋がっているような存在です。私に色んなことを気づかせ、与え、そして受け取ってもくれました。

その喪失感はもう、なにをもってしても埋めがたく、涙も涸れることはありません。だけど私は残されたみんなのために、また現実の世界に足を下ろす事にします。 この9年と少しの間、体がミュウのことを隅々まで記憶してしまいました。だから、私は細胞一つ一つに染み付いた幸せな思い出と共に、頑張って生きていきます。

 

立派なお葬式を手配してくれ、私と同じように悲しみ、そして彼を愛してくれた旦那さんに、心からの感謝を。

遠くから一緒に手を合わせてくれた両親や、初めて直面する死と向き合い、一緒に涙を流してくれた子供たちにも力いっぱいのありがとうを。

そして、私と濃い時間を過ごしてくれたミュウにこれからも続く、永遠の愛を。

心が癒えるまで、もう少しだけあなたの面影を追ってしまうことを許してください。

 

まんまるなミュウ。可愛い可愛いミュウ。ありがとう。

 

※写真は亡くなる日の昼間、足を引きずって息子のお腹までたどり着いたミュウの写真です。
ココミウ日記を楽しみにしてくださっていた皆様、本当にありがとうございました。もう猫ブログはやめてしまおうかとも思いましたが、何年もにわたるあの日記が、今、主人の助けになっていると知り、これからも形を変えて続けていくことにしました。これからも、ココと杏のことをかわいがってやってください。よろしくお願いいたします。

cocomiu
cocomiu (as a designer and an illustrator) lives in Tokyo with my husband,daughter and cats. likes taking photos, doing yoga and shopping.