本棚:不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人

不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人

どちらかと言うと、フランス人的な「なるようになるさ」と直感で動く派の私。フランス人的な部分があると思うと嬉しくなる、フランスに憧れをもつミーハーな日本人でもある。

でも、残念ながらわたくし生粋の日本人。直感型といえど、フランス人のように純粋に今を楽しめない。

作者が言うようにある一定の不安も抱えている。

この本を読むと、言われればその通りだけど、言われるまで気付かなかった日本を知ることができる。さらっと客観的に日本が知れる1冊だ。

 

ただ一つ言わせていただきたい。

日本人全員が、コンビニにある子どもの目にバッチリ触れる場所に置いてあるエロ本に疑問を持っていない訳ではないことを。

日本人全員が、アキバにいるメイドさんたちや幼児ポルノを連想させるポスターに眉をひそめていない訳ではないことを。

日本人全員が、景観無視して建つタワーマンションやビル群を素敵だと思っている訳ではないことを。

日本人全員が、小学生のうちから塾に通うことに疑問を持っていない訳ではないことを。

フランス人と日本人て、一見両極端。
でも、私にとっても複雑で分かりにくい日本人。
そこをなんとも分かりやすく解説してくれていて、日本人のことを逆に教えてもらった気分。モヤモヤも晴れた。

 

そして特に気になっていたのがフランスの教育事情。
まさにタイムリーな子どもの教育問題。
そして、子どもたちに掛かるお金のこと。

周りのお友だちは1週間毎日習い事をしている子も少なくない。
1日に複数通っている子もいる。
最近の子はなんて忙しいんだろうかと、彼らのポテンシャルと親の財力にただただ驚くばかり。
親の財力がないと、十分な教育が受けられないんじゃなかろうかと不安に煽られてしまう笑
だって、幼児教育、プログラミング、そろばん、水泳、バレエ、塾、公文・・これだけ詰め込んでる子たちにうちの子たちは太刀打ちできるんだろうかと・・

焦る気持ちを感じながらも、だからと言って同じように右にならえとたくさん習い事をさせているかと言われたら、全くそうではないところがなんとも私も頑固だなと思う訳だけど。

自分の良いと思うことを冷静に選んでいける、ある意味マイペースな自分でありつつ、不安を感じすぎずに毎日楽しく過ごしていける。なんとも難しそうだけど、不安な毎日を過ごすよりは笑って日々楽しく過ごした方が健康にも良い気がする。

しかし、不安の原因に目を背けることができないのだが・・その辺、フランス人の皆さんはどうしてるんだろう??
そもそも直面してもないことについてあれこれ考えすぎないのかな?

【今回の本】